仕事を変えるときに、誰に相談するか。

おはようございます。システムメンテナンスのため、家に帰れず会社でダラダラしてました。無事に終わって安堵しています。

そんな状況だからではないですが、何することもない時間にこれまでの転職のことを考えておりました。私自身は数回会社を変わっていますが、一貫して情報システムに関わる職についています。ただ、役割とか立場、どういうシチュエーション(大規模構築プロジェクトか、既存の運用保守メインか、恒常的な新規開発の連続か、とか)で働くのかについてはいろいろと変えてきています。

簡単に言うと、職種はちょっとずつ変わっているわけですが、そんな小さな変更でもやはり慣性というのは恐ろしいもので、変更を妨げる方向へ働くのですね。特にプライベートでの近しい人や同僚についてはそのような傾向が強いです。自分自身で変化を求めたいと思うとき、適切な相談相手というのは意外と難しいのが私の経験則です。

それほど親しくはないんだけど、自分のスキル・実力はある程度わかっていて、尚且つ他人事として私に向き合って客観的で予想外な可能性をポロっとこぼしてくれる人、というのが理想の相談相手になります。

この辺りの考えを最初に私に提示してくれたのが、「ハーバード流 キャリアチェンジ術」という書籍です。

ハーバード流 キャリアチェンジ術

ハーバード流 キャリアチェンジ術

 

 ちょっとタイトルが仰々しいというか、いたずらに流行りを追っている感じがしますが、中身は文句なしに素晴らしい書籍です。それまでとは異なる職へキャリアチェンジした数十名の事例から成功するための条件を抽出しているのですが、「自分が何をやりたいか考えてキャリア計画を考えてから行動するという従来の考え方では成功は難しい。必要なのは、計画や考えることよりも、行動を重視するアプローチ」という考えが提示されます。

またAmazonの商品説明にもあるように「過去と現在のアイデンティティーの板挟みに悩む「過渡期」を支えるのは、古くからの友人や前職の仲間ではない。今までのキャリアから乗り換えるにあたり、「強いきずなは視界を奪う」」という主張はまさにその通りですね。本書の事例からは、「新しく出会ったばかりの、弱くてもろい関係性にある友人」こそがこの期間のキーパーソンであることがわかります。

田舎から都会に出てきている人にとっては(私もそうですが)、地元の親や親戚もこれにあたるはずなのですが、「大きな企業に入って定年まで勤め上げるべき」的な観念の人も(特に今の60歳以上には)多い考え方なので、難しいのでしょう。幸い、私の両親は自営だったし、「没頭できる仕事に移ればいいんじゃない」的な感じだったので、そんなことは言われませんでしたが…。

何回か転職活動をしてきて感じるのは、何回か面接を重ねてみないと自分の市場価値、それを踏まえたできることとやりたいことは明確にならない、ということです。合格と不合格がある試験ではなく、個々の企業との対話を通して今の市場を把握し、自分をどこに置いて価値を出すかのすり合わせですよね。大きく言っちゃうと、市場とのすり合わせというのが転職活動の本質だと思います。

だから面白いと思うし、定期的にやってしまうのかもしれないですね。なので、個人的には、転職したことない人、転職していても友人の引きで厳しい活動を経ずに移ってしまう人については、まだ「大人」になっていない人という印象ですね(もちろん自分で会社を立ち上げる人は、これよりも厳しい経験をしているので当然「大人」です)。

自分という商品単体で社会とコミュニケーションして、ある企業に買ってもらうというのは素晴らしい経験です。これは一度はやっておいた方が良いと思います。