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父と息子の物語(1、戸村飯店青春100連発)

最近なんだか書くことがないんだか、時間がないんだか、余裕がないんだかで書けておりませんでした。はてなから「そろそろブログ書きませんか」みたいなリマインダーも来たことだし、ここらで何か書いてみようかと。

家では洗濯業務を仰せつかっている私ですが、花粉症でもあるため、春は外に洗濯ものを干さず、もっぱら室内干しとなっております。2階のいろいろとモノを置いている部屋(将来は子供部屋)で干してるのですが、そこには本棚もあったりして、洗濯ものを干し終わると本を読みふけったりします。

特に会社でいろいろとすったもんだで大変な時ほど、そういうことに心の安らぎを求めがちですねー。

そこで、久々に手に取った本がありまして、以前読んだときとはまた違ったところにドはまりしましたので、ちょっと書いてみようかと思い立ちました。

読んだ本はこれです。 

戸村飯店 青春100連発 (文春文庫)

戸村飯店 青春100連発 (文春文庫)

 

簡単にあらすじを追うと、大阪の戸村飯店には一つ違いの兄と弟がおり、兄は要領がいいが店にはなじんでいない。弟は不器用で愛されキャラで店になじんでいる、勝手に自分が店を継ぐという気概を持っている。兄は高校を卒業して家を出て東京に行き、特に興味のない専門学校へ入る。弟は高校生活を満喫するが、店を継ぐことを父親(戸村飯店店主)から反対され、しぶしぶ大学へ進む。

という話を、兄と弟の目線で進めていくもの。で、これがなぜ父と息子の話なのかというと、数年前までの自分でさえあまりそうは思わなかったのですが、話のポイントで出てくる父と子の関係が今の自分にはすごく染みるのですね。特にラスト辺りで出てくる兄と父の関係性には、ハッとさせられるものがあります。自分の父のことを思い出すこともあり、やはり父親というのは大きな存在なのだと考えさせられました。

 

私自身については子どもは2人、上は女の子、下は男の子です。下の男の子は、自分が父を見ていたのと同じように、私を見て育つのだとこれまでよりも痛切に感じた次第です。

しかし、この父、兄、弟という男同士の話を、女性である瀬尾さんが書かれたというのはやはりすごい。柔らかい文体ではあるのですが、なんつー共感力かと驚きです。

また、兄が終章近くである決断をするのですが、その気づきと衝動を与えるのがウルフルズの歌であって、兄はこれを「これは大阪の人間が作った歌だ」と感じ、どうしようもなく家に戻りたくなるわけです。この辺りの描写が素晴らしい。ウルフルズの歌というのは、どうしようもなく家族を今すぐ大切にしたい、どうしようもなく自分の帰る場所を明らかにしてしまう、そういう力があると思います。私自身は九州の出身ですが、やはりそういうことを感じますね。

これが北の方なら、別の歌になるんでしょうね~、その場合は何だろう。

まぁ、つらつらと書いてみましたが、父というのは子どもを生れた時から見守っている。その行為ってやっぱすごく大きいもので、子どもに対する深い洞察をもたらすものなのです。これは自分についてもそう思います。自分とは違う、わからない存在としての子どもという面もあるのですが、部分的にであっても最大の理解者であり、彼を守る人間として存在しているのだなと、走り回る2歳2か月の子どもを見ながら考えたりする今日この頃です。

 ちなみにこのテーマはあと2回ほど書いてみようと思います。次は別の本をネタに書きます。